花粉症とは、花粉がアレルゲンとなり、さまざまなアレルギー症状を引き起こす状態を指します。原因となる花粉では、春先に飛散するスギやヒノキがよく知られていますが、初夏や秋に飛散するイネ、ヨモギ、ブタクサなどもあります。いずれの場合も、花粉が飛散する時期に限定して症状が現れます。
主な症状としては、鼻の粘膜や結膜に花粉が付着することで、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状や、目やに、流涙、目の充血、目のかゆみなどのアレルギー性結膜炎の症状が見られます。その他、口内のしびれ、のどの痛み、肌荒れなどの症状も現れることがあります。
まず、原因となる花粉が判明している場合は、それを避けるための環境づくりを行います。具体的には、花粉を家の中に入れないようにし、外出時には帽子や眼鏡、マスクを着用することが推奨されます。
症状を抑えるための対症療法としては、抗ヒスタミン薬の内服や点眼(眼症状)などが行われます。鼻づまりがひどい場合には、ステロイド系の鼻噴霧薬が用いられます。
根治を目指す治療法としては、アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法、舌下免疫療法)があります。これは、体内に少量ずつアレルゲンを投与し、身体を慣れさせることでアレルギーを克服する治療法です。この治療は3年以上の長期間にわたることが多く、必ずしも全ての患者さんが完治するわけではありません。
人間には、自然免疫と獲得免疫という免疫機能が備わっています。これらは、体内に侵入しようとする異物(細菌やウイルスなどの病原体)を認識し、排除する仕組みです。この免疫機能が働くことで、次に同じ病原体が侵入しても、前回作られた免疫が即座に反応し、体外へ撃退します。
しかし、免疫は時として、本来無害である花粉、ダニ、ハウスダスト、食物などに対しても反応することがあります。この場合、体内では無害なものであるにもかかわらず、免疫反応が働いてこれを排除しようとし、くしゃみ、鼻水・鼻づまり、喘息、流涙、目やになどの症状を引き起こします。これがアレルギー反応であり、これらの反応が見られる病気をまとめてアレルギー疾患と言います。
気道(気管、気管支)は、鼻や口から吸入した空気を肺まで送る通り道です。この気道に慢性的な炎症が起きることで狭まり、呼吸がしづらくなる状態を気管支喘息といいます。
この疾患により、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音(喘鳴)が聞こえるほか、一度咳が出始めると止めるのが困難で、ひどい場合は呼吸が停止することもあります。
原因については、小児の場合、大半がアレルギー反応によるものです。アレルゲンとしては、花粉(スギ、ブタクサなど)、ダニ、ハウスダスト、特定の食物などが挙げられます。成人になると、風邪、たばこ、運動などアレルギー以外の原因で引き起こされることがあります。
治療は大きく2つに分かれます。喘息発作が起きている場合の治療(リリーバー)としては、去痰剤、気管支拡張薬などが用いられます。また、発作の予防のために気管支の炎症を抑える治療(コントローラー)としては、吸入ステロイド薬のほか、ロイコトリエン拮抗薬、抗アレルギー薬などが用いられます。
アレルギー性鼻炎とは、アレルゲンが鼻の粘膜に付着することで炎症が起き、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が現れる状態を指します。
この疾患は、大きく通年性と季節性に分類されます。通年性は、季節に関係なく1年中発症するケースで、ハウスダスト(ダニの死骸、ホコリなど)やペットの毛やフケがアレルゲンとなります。季節性は、主に花粉(スギ、ヒノキ、イネ、ヨモギ、ブタクサなど)がアレルゲンとなり、花粉が飛散する時期にのみ発症します。アレルギー性結膜炎を併発することが多いのも特徴です。
アレルゲンが特定されている場合は、それを除去・回避することが重要です。鼻炎の症状を抑えるための治療法としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬の内服、ステロイド系の鼻噴霧薬が使用されます。
また、体質改善を図る治療法として舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法の一つ)があります。これは、体内に少量のアレルゲンを注入し、徐々に体を慣れさせてアレルギーを克服する方法です。ただし、室内塵性ダニ類やスギ花粉がアレルゲンである患者さんに限定され、治療期間は3年以上の長期に継続していただきます。
じんましんとは、何の前触れもなく皮膚の一部に強いかゆみを伴う、さまざまな形状(円形、楕円形、地図状など)の膨疹(くっきり盛り上がった赤い紅斑)が現れる状態を指します。この症状は通常、発症から24時間以内に跡形もなく消えます。
発症の原因としては、アレルギー反応や物理的な刺激、アスピリンや抗生物質などの薬などが挙げられますが、じんましん患者の約7割は原因不明の特発性じんましんです。この場合、発症から6週間未満を急性じんましん、6週間以上続く場合を慢性じんましんと診断します。
原因が判明している場合は、その原因を除去します。原因の特定に関係なく、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を行います。アナフィラキシーなど重症の場合は、エピペン®の処方を行います。
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